レモンザメ(Negaprion acutidens)は、インド・太平洋の沿岸にくらす大型のメジロザメ科のサメです。最大の見分けポイントは、第1背ビレと第2背ビレがほぼ同じ大きさに見える体型で、遠目でもシルエットが特徴的です。
基本情報
- 和名:レモンザメ
- 英名:Sicklefin lemon shark
- 学名:Negaprion acutidens
- 分類:メジロザメ目/メジロザメ科
- 大きさ:成体は全長2〜3mほどで、最大記録は約3.8mです。
- IUCN評価:Endangered(EN/絶滅危惧、2020年評価)です。
見た目の特徴
レモンザメは、全体にずんぐりした力強い体つきで、名前の由来どおり黄みがかった体色に見えることがあります(光や水中の色で印象は変わります)。そして決定的なのが、背ビレが2枚とも大きく、サイズ感が近いことです。この特徴は、近い海域で混同されがちなオオメジロザメ(ブルシャーク)などと見分けるときの重要ポイントになります。ニシレモンザメ(Negaprion brevirostris)も2枚の背ビレがよく発達しますが、大西洋・東太平洋に分布する同属別種です。この記事で扱うレモンザメは、インド・太平洋に分布するN. acutidensです。
生息域・環境
レモンザメは、紅海・東アフリカから南アジア、東南アジア、オーストラリア、太平洋の島々までのインド・太平洋に分布します。日本では伊平屋島や八重山諸島など南西諸島で記録されています。成魚は大陸棚・島棚やサンゴ礁周辺に生息し、幼魚は浅い砂地のラグーンや濁りのあるマングローブ域をナーサリー(育成場)として利用します。
食性・行動(何をどう食べる?)
主なエサは底生の魚類やエイ類、小型のサメなどです。獲物の位置を探るときは、嗅覚や側線に加えて、頭部の電気受容器(ロレンチーニ器官)で生物が発する微弱な電気信号も利用します。
人との距離感(危険性は?)
レモンザメは沿岸の浅瀬にいるため人と遭遇しやすい一方で、一般的には「無差別に襲うタイプ」として語られることは多くありません。ただし、どんなサメでも追い込み・給餌・濁り・水中での不用意な接触など条件が重なるとリスクは上がるので、「近づきすぎない」「エサ付けしない」「不用意に触れない」は基本です(ダイビングの現場ルールに従うのが安全です)。
ちょい豆知識:レモンザメの“育児環境”が大事
レモンザメは、子どもが育つ浅い湾やマングローブ域の質が、個体群の将来に直結しやすいタイプです。開発でナーサリーが失われると幼魚の生存率が下がり、回復が難しくなる——という議論が、研究でも大きなテーマになっています。


