コモリザメは、丸みのある体つきと、海底でじっと休む姿が印象的なテンジクザメ目のサメです。英名はナースシャーク(Nurse shark)。昼間は岩陰や洞窟、マングローブ周辺などで落ち着いていることが多く、夜になるとゆっくり動き出して餌を探します。見た目はおだやかでも、餌を食べるときは強い吸引力を使い、海底の小動物を吸い込むように捕食するのが特徴です。
基本データ
- 和名:コモリザメ(別名:ナースシャーク)
- 英名:Nurse shark
- 学名:Ginglymostoma cirratum
- 分類:テンジクザメ目 コモリザメ科
- 全長の目安:2〜3m級(大型個体はさらに大きい記載もあります)
- 分布:主に大西洋(カリブ海など)〜東太平洋の熱帯〜亜熱帯域
- 生息環境:沿岸の浅瀬、サンゴ礁、マングローブ、水深0〜75mの記載
- IUCN:VU(危急)として整理される資料があります
見分けポイント:口元のヒゲと、下向きの口
コモリザメは底生性が強く、口が下向きで、口元にヒゲ状の器官(バーベル)がある“海底探索向き”の顔をしています。体つきはずんぐりしていて、尾びれで高速巡航する回遊型というより、底近くでゆっくり暮らすタイプです。
くらし:昼は集まって休み、夜に動く
昼間は岩棚の下や洞窟、暗がりで休んでいることが多く、場所によっては小さな群れのようにまとまってじっとしていることもあります。夜になると単独で動き回り、海底の餌を探す行動が目立ちます。 “いつも同じ休み場所に戻る”といった行動が紹介されることもあり、行動パターンが比較的わかりやすいサメです。
食べ方:噛み切るより“吸い込み”
コモリザメの捕食で印象的なのは、強い吸引で獲物を吸い込むスタイルです。甲殻類などの小動物を中心に、海底で見つけた獲物を確実に食べていきます。派手な追跡戦より、地味でも確実な底生ハンターという立ち位置です。
人との関わり:おとなしいが、近づき方は大切
一般にコモリザメは落ち着いた性質として紹介されることが多い一方、野生動物なので無理に触ったり追い詰めたりすれば防御的になります。特に餌付けが行われる環境では行動が変わりやすいため、距離を保って観察するのが基本です。
似ている仲間:オオテンジクザメとの混同
日本近海で話題になりやすい「オオテンジクザメ(Tawny nurse shark)」は、同じ“ナースシャーク系”として見た目が似ますが別種です。コモリザメ(G. cirratum)は分布が大西洋〜東太平洋側として整理されるのが一般的で、日本近海で普通に見られる種ではありません。
関連するサメ
- オオテンジクザメ:ナースシャーク系の近縁・見た目比較に向く
- ネムリブカ:同じく底で休むことが多いリーフの常連
- トラフザメ:底生で夜行性寄り、動きの雰囲気が近い
- シロボシテンジクザメ:同じテンジクザメ目で“小型底生”側の比較に便利



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