🦈川にも現れる“沿岸最強クラス”のハンター
出典:National Geographic Animals(YouTube サムネイル)
どんなサメ?
オオメジロザメ(Carcharhinus leucas)は、熱帯〜亜熱帯の沿岸・河口・汽水域に広く分布する大型のサメ。成長すると体長3〜4m、がっしりした体と太い胴体で、浅場での機動力に優れています。英名は Bull Shark。「闘牛」のように一直線に突進してターンを繰り返す、力強い泳ぎが名前の由来といわれます。
最大の特徴は、淡水でも生きられる浸透圧調節。普通のサメは体内の塩分濃度を保つため海水が必要ですが、オオメジロザメは腎臓と直腸腺、尿素(TMAOを含む)バランスの高度な調整で河川や湖にも進入します。世界各地の大河(ミシシッピ、アマゾン、ザンベジなど)での記録があり、日本でも時折ニュースになります。
食性は機会的捕食(フィッシュイーター中心)。エイ、硬骨魚、小型サメ、甲殻類、時に鳥類や哺乳類の死骸など、目の前の“食べられるもの”を素早く判断して噛みつく戦略です。視覚・嗅覚に加え、ロレンチーニ器官で微弱電流を感知。沿岸の濁った水でも獲物を捉えられます。
サメトリビア(豆知識)
- 淡水適応の秘密:腎臓が尿の希釈を強め、体内の尿素レベルも状況に応じて調節。これにより体液の浸透圧を保ち、塩分の少ない河川でも長時間活動できます。
- “三強”の一角:統計上、人身事故の件数で名前が挙がるのはホホジロ・イタチ・オオメジロ。ただし多くは誤認や好奇心が原因と考えられます。
- 安全のコツ:河口や濁りの強い浅場、朝夕の薄暗い時間帯は避ける/群れから離れない/釣り餌・魚血の近くでは泳がない、など基本を守るだけでリスクは大きく下げられます。
似ているサメ・関連種
- イタチザメ(Tiger Shark):多食性で沿岸にも出没。“掃除屋”気質は共通。
- ヨゴレ(Oceanic Whitetip):外洋性で回遊力が高い。漂流物や死骸に集まりやすい。
- アオザメ(Shortfin Mako):最速クラスだが外洋寄り。生態ニッチが対照的。
関連動画(YouTube・サムネ直リンク+出典)
オオメジロザメの生体解説!水族館で学ぼう
出典:京急油壺マリンパーク(アーカイブ)
沖縄 北谷町・水路にオオメジロザメ
出典:琉球新報(公式チャンネル)
World’s Biggest Bull Shark?(Full Episode)
出典:National Geographic Animals
Diving with Dangerous Bull Sharks(Deadly 60)
出典:BBC Earth Kids
川や河口に現れる“沿岸の主”――それがオオメジロザメ。
ただ怖がるだけでなく、なぜそこに現れるのか、どうすれば共存できるのかを知ることが、海や川を安全に楽しむ第一歩です。興味が湧いたら、イタチザメやホホジロザメの記事も併せてどうぞ。




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