海には500種を超えるサメが暮らしていますが、人間を襲うことがあるのはほんの一握り。
その中でも、とくに攻撃的な性質や事故例の多さから「危険」とされるサメたちがいます。
今回は、実際の記録と生態をもとに、世界で最も危険とされるサメTOP10を紹介します。
第10位 ニシレモンザメ(Lemon Shark)
カリブ海やフロリダ沿岸に生息する中型種。浅瀬で人間と接触する機会が多く、ダイバーが不用意に近づくと「試し噛み」をされることがあります。基本的には穏やかですが、刺激を与えると俊敏に反応するため、油断は禁物。泳ぎが滑らかで、静かに背後へ回り込むような動きを見せることもあります。
第9位 シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)
特徴的なハンマー型の頭部を持ち、群れで泳ぐ姿が印象的なサメ。
視界が広いため、広範囲に獲物を探すことができます。普段は臆病ですが、興奮状態や餌の取り合いになると攻撃的になり、ダイバーに突進することも。
特にアカシュモクザメの大型個体は危険度が高く、フロリダやハワイで事故が報告されています。
第8位 ヨゴレ(オーシャンホワイトチップシャーク)
外洋に暮らすサメで、海難事故の現場で恐れられる存在。
漂流者や沈没船の周囲に集まる傾向があり、第二次世界大戦中にはヨゴレによる被害が多数報告されました。
泳ぎは遅いものの、強い好奇心を持ち、血や音、動きに鋭く反応します。ゆったりと近づいてくるその姿には、静かな緊張感が漂います。
第7位 アオザメ(ショートフィンマコ)
「海の弾丸」と呼ばれるほどのスピードを誇り、最大時速60km以上。
釣り上げられた際にボート上で暴れ、漁師を負傷させた例が多数あります。
外洋性で人との接触は少ないものの、もし刺激を与えれば、瞬時に突進してくる俊敏さと破壊力を併せ持つ危険なサメです。
第6位 ツマグロ(ブラックチップシャーク)
浅瀬のリゾート地などで頻繁に見られ、体長は2m前後。
通常は臆病ですが、人が餌を与えることで行動が変化し、急に興奮して噛みつくことがあります。
人間の行動によって“危険なサメ”へと変わる代表的な例であり、自然との距離感を保つことの大切さを教えてくれます。
第5位 カマストガリザメ(Spinner Shark)
高速で回転しながら海面へ突き上げる狩りのスタイルで知られるサメ。
魚の群れの中を回転しながら突進するため、誤って人間を噛むことがあります。
フロリダや南アフリカでは軽傷事故が報告され、スピードと動きの激しさゆえに、出会ったら距離を取るのが賢明です。
第4位 ドタブカ(Sand Tiger Shark)
見た目は恐ろしいものの、通常はおとなしいサメです。
しかし、捕獲時や繁殖期には気性が荒くなり、攻撃することがあります。
歯が常に外に見えているため威圧感があり、水族館での人気も高い種ですが、野生では不用意な接近は危険。体長3mを超える個体も多く、力は侮れません。
第3位 オオメジロザメ(ブルシャーク)
淡水にも侵入できる珍しい性質を持ち、アマゾン川やアフリカの湖でも確認されています。
高い攻撃性と縄張り意識を持ち、世界中で人を襲った事例が多数。
特に水が濁った河口や湖では、人と魚の区別がつかず襲撃するケースがあります。
「最も危険な淡水サメ」と呼ばれる理由はその執拗さと獰猛さにあります。
第2位 イタチザメ(タイガーシャーク)
「海のごみ箱」と呼ばれるほど、何でも飲み込んでしまう大型サメ。
カメや鳥、人間の持ち物まで胃の中から発見されることがあります。
世界中の温暖な海に分布し、サーファーを襲った事例も多く、ハワイやオーストラリアでは警告が出るほど。
臆せず近づく大胆さと、好奇心の強さがこのサメを危険な存在にしています。
第1位 ホホジロザメ(グレートホワイトシャーク)
言わずと知れた“海の頂点捕食者”。
体長6メートルを超え、咬合力は1.8トン。海面近くを泳ぐアザラシを下から突き上げる狩りのスタイルは圧巻です。
映画『ジョーズ』のモデルとなり、人間を襲った事故数も世界最多。
ただし、研究者によれば「人間を餌と誤認している」ケースがほとんどで、彼らに悪意はないと考えられています。
それでも一度噛まれれば致命傷――まさに“海の王者”にふさわしい存在です。




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