ダルマザメとは?丸いかみ跡を残す小さなサメの生態

ダルマザメ(Isistius brasiliensis)は、大型の魚や海生哺乳類の体表をかじり、円形に近い傷を残すことで知られています。英名のCookiecutter sharkもこの食べ方に由来します。巨大なサメではなく、確認されている最大記録は雌でも全長56cmという小型種です。

名前・大きさ・分布

項目内容
和名/英名ダルマザメ/Cookiecutter shark
学名Isistius brasiliensis
分類ツノザメ目 Squaliformes・ヨロイザメ科 Dalatiidae
大きさFlorida Museum掲載の最大記録:雄42cm、雌56cm(全長)
分布大西洋・インド洋・太平洋の暖海域。日本近海にも記録がある。

小さいのに、どうして丸い傷ができる?

ダルマザメでは、上あごの小さな歯と、下あごに並ぶ大きな歯の役割が異なります。口を相手の体に密着させ、下あごの歯で組織を切り取る食べ方をします。大きな獲物を丸のみするのではなく、体の一部を利用するため、体格差のある動物にも食物源を求められます。

ただし、すべての食事がこの方式というわけではありません。イカや甲殻類なども食べます。丸い傷の写真を見るときも、形だけで原因を確定せず、観察場所や他の証拠を合わせる必要があります。

暗い海を移動する体と発光器

深い場所と夜間の浅い層を行き来する生活が知られ、腹側には発光器があります。腹側から光ることと、体全体が照明のように強く光ることは同じではありません。深海の動物を写した明るい写真は撮影用の照明を使っている場合があり、写真の明るさをそのまま自発光と判断しないようにします。

繁殖と、近い仲間との違い

無胎盤性胎生のサメですが、繁殖についての情報は限られています。成長や妊娠にかかる期間を、別の小型ザメの数値で補うことはできません。

同じ属のIsistius plutodusとは別種です。ダルマザメには首輪のような暗い帯があり、近縁種との識別の手掛かりになります。I. plutodusは下あごの歯がより大きく、数が少ないことでも区別されます。確認できる写真の範囲を超えて、傷跡だけからこの2種を断定しないことが大切です。

人がかまれることはある?

ダルマザメ属(Isistius属)による人の咬傷報告があります。2021年の症例報告も属の水準で扱っているため、本記事ではすべてをダルマザメI. brasiliensisの確定事例とは数えません。「小さいから完全に無害」とする説明も適切ではありません。

水族館の展示情報を探すとき

今回確認した資料では、現在の生体展示は確認できませんでした。採集標本、かみ跡の写真、歯の標本などと、生きた個体の展示は分けて確認してください。サメの食べ方を比べるなら、細長い歯をもつシロワニや、貝をかみ砕くネコザメもよい比較対象になります。

参考資料

資料確認日:2026年9月19日。

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