サメは電気で獲物を探す|ロレンチーニ器官と鼻先の小さな孔

サメは、動物の体から生じるごく弱い電場を感じ取れます。頭のまわりに見える小さな孔は、ロレンチーニ器官につながる入口です。これはサメ自身が強い電気で獲物をしびれさせる仕組みではなく、周囲の電気的な手掛かりを受け取る感覚です。

小さな孔の奥にある感覚器

皮膚の孔からはゼリー状の物質で満たされた管が延び、その先に電気刺激に応じる感覚器があります。孔の数や配置、管の向きは種によって異なり、頭の形とも関係します。

鼻孔は水に溶けた化学物質を受け取る嗅覚の入口で、ロレンチーニ器官の孔とは別です。目、鼻孔、小孔を見分けると、同じ鼻先にいくつもの感覚が集まっていることがわかります。

砂に隠れた獲物を探す手掛かり

筋肉や神経の活動などに伴う微弱な電場は、餌を探す手掛かりになります。視覚で輪郭が見えにくい場面でも役立ちますが、何キロも先の魚を電気だけで探せる、という能力ではありません。

電場の強さや形は、発生源との距離や向きで変わります。嗅覚で餌のある方向へ近づき、最後に電気感覚などを使うといった複数の感覚の組み合わせが重要です。すべての狩りが同じ順序で進むわけではありません。

シュモクザメの実験からわかること

2009年の研究では、アカシュモクザメの幼魚に人工的な電気刺激を与え、反応する位置を調べました。電流の大きさや電極の配置を変えると反応のしかたも変わり、「探知距離」を一つの数字で決められないことがわかります。

2011年には、異なる頭の形をもつサメについて、管の配置と電場の方向の関係が検討されています。幅広い頭には感覚器を配置する面積がありますが、それだけで広い頭の進化の理由がすべて説明されるわけではありません。

電気を感じることと発電は違う

シビレエイのように強い放電を行う魚と、微弱な電場を受け取るサメは区別します。「電気の感覚をもつ」から「電気で攻撃する」へ置き換えると、生態の説明が変わってしまいます。

海の磁場と航行の関係も研究されていますが、獲物への反応を確かめた実験と、長距離の移動方向を決める仕組みの検証は別です。鼻先の孔を観察するときは触らず、解説写真や標本の拡大像を利用すると安全に細部を見られます。

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参考資料

資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。

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