サメは泳がないと死ぬ?止まって休める種類と呼吸の違い

「サメは泳ぐのをやめると死ぬ」は、すべての種類には当てはまりません。サメに必要なのは、酸素を含む水をえらへ通すこと。泳いで水を取り込む方法に強く頼る種類もいれば、底で休みながら水を送れる種類もいます。

呼吸に必要なのは、えらを通る水

サメは魚なので、えらで水中の酸素を取り込みます。イルカのように定期的に水面へ上がって空気を吸う動物ではありません。口などから入った水がえらを通ることで、ガス交換が行われます。

前へ泳ぎながら口へ水を取り込む方法は、ラム換水と呼ばれます。一方、口やのどの動きで水を送り込む方法もあり、泳ぎ方と呼吸の関係は種によって違います。「止まった瞬間に必ず死ぬ」という一律の説明は不正確です。

底でじっとしているサメは何をしている?

カスザメ類やテンジクザメ類などには、海底で休みながら呼吸できる種類があります。目の後ろの噴水孔から水を取り込める種類では、口が海底や餌に近い場面でも通水に役立ちます。噴水孔の発達の程度も種によって異なります。

ポートジャクソンシャークやホーンシャークを水族館で見ると、日中に岩陰で静かにしていることがあります。底で休む生活に合った姿であり、泳いでいないことだけで弱っているとは判断できません。口やえらのゆっくりした動きも観察の手がかりになります。

サメも眠ることは研究で確かめられている

2022年の研究は、ニュージーランドのCephaloscyllium isabellumを対象に、活動時と休息時の代謝を比較しました。睡眠とみなされる状態では酸素消費が低くなり、体を平らにした姿勢との関係が示されました。

目を閉じることだけでは睡眠を十分に判定できないという結果も出ています。この種で得られた結果を、泳ぎ続ける外洋性のサメの睡眠の仕方にそのまま広げることはできません。「すべて半分の脳だけ眠る」といった説明も、根拠なしに使うべきではありません。

水族館で比べたい3つの動き

観察するなら、泳ぐ速さだけでなく、口の開閉、えらの動き、休む場所を見てみましょう。同じ水槽でも、底で休むサメと中層を回遊するサメで行動が違うことがあります。

水槽の流れや酸素量、個体の状態も関係するため、短い動画だけで飼育の良し悪しを判断することはできません。気になる個体がいたら触ったり刺激したりせず、館の解説や飼育員の案内で種の習性を確かめると理解が深まります。

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参考資料

資料確認日:2026年10月4日。展示情報は記載した告知・資料の時点に基づきます。

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