ネズミザメとは?大きさ・生息地・ニシネズミザメとの違い

ネズミザメ(Lamna ditropis)は、日本近海を含む北太平洋にすむネズミザメ科のサメです。英名はSalmon sharkですが、サケだけを食べる種類ではありません。よく似たニシネズミザメとは別種で、学名と分布、背びれや腹側の模様を合わせて区別します。

大きさと分類の基本データ

項目内容
和名/英名ネズミザメ/Salmon shark
学名Lamna ditropis
分類ネズミザメ目 Lamniformes・ネズミザメ科 Lamnidae
通常長FishBaseでは全長180cm
最大記録同資料では全長305cm。通常長とは別の値。
分布北太平洋。日本側からオホーツク海、北米側まで。

「ネズミザメ科」はホホジロザメなども含む分類群です。科の説明をそのままネズミザメ1種の分布や繁殖の説明として使うことはできません。グループ全体についてはネズミザメ科の解説をご覧ください。

ニシネズミザメとの違い

比較点ネズミザメニシネズミザメ
学名Lamna ditropisLamna nasus
主な分布北太平洋北大西洋と南半球の冷温帯域
第1背びれの後端白い斑点がない白い部分が識別の手掛かり
腹側暗色の斑点が手掛かりになる本種との比較で腹側の色も確認する

同じネズミザメ属に属するため形が似ています。背びれの先だけが写った画像ではなく、体全体と撮影海域をそろえて比べると間違いを減らせます。古い文献や外国語の「porbeagle」を日本のネズミザメに置き換えないようにも注意が必要です。

どこで何を食べている?

寒冷な海から冷温帯の海を遊泳し、季節的な移動をします。食性は魚食性です。Salmon sharkという名前はサケとの関わりをよく表しますが、英名だけから単一の魚しか食べないと理解するのは誤りです。

日本での実物記録として、鳥羽水族館の研究報告には熊野灘で採集された雌の妊娠個体が掲載されています。北の海という印象だけで、国内の出現地域を狭く限定しないことも大切です。

卵食を伴う繁殖と、採集報告の意味

無胎盤性胎生のサメで、母体内の胚が卵を食べて育つ「卵食」を伴います。鳥羽水族館の報告では、全長248cmの雌から4尾の胎仔が確認されています。この4尾は報告された1個体の観察値で、すべての出産で同じ数になるという意味ではありません。

この論文は採集個体を調べた記録です。水族館が執筆した論文であっても、そのサメを生きた状態で展示している証拠にはなりません。今回確認した公式資料では、現在の生体展示は確認できませんでした。

人への危険性

大型で歯をもつサメなので、潜在的な受傷の危険はあります。一方、体の形がホホジロザメに似ることだけを根拠に、人を頻繁に襲う種と説明することはできません。海での観察と、漁獲個体を扱う場面は分けて考え、近づいたり口元に触れたりしないでください。

参考資料

資料確認日:2026年9月19日。

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