サメの歯はみんな三角形?食べ物と歯の形を種類別に比較

サメの歯は、すべてが大きな三角形ではありません。魚を捕らえる細長い歯、硬い餌を砕く歯、切ることに向いた歯などがあり、同じ個体でも口の中の場所によって形が違います。歯だけを1本見るより、どこに並ぶ歯なのかを確かめると、食べ方との関係が分かりやすくなります。

サメ歯の特徴食べ方を考える手掛かり
ホホジロザメ Carcharodon carcharias幅のある三角形で、縁に鋸歯がある獲物の組織を切る働き
シロワニ Carcharias taurus細長くとがった歯が目立つ魚などを捕らえて保持する形
ネコザメ Heterodontus japonicus前方のとがった歯と、後方の臼のような歯餌を捕らえ、貝などの硬い部分を砕く
ダルマザメ Isistius brasiliensis上あごの小さい歯と下あごの大きい歯体表に取りつき、組織の一部を切り取る

形態はFAO、Florida Museum、FishBaseの資料に沿って整理しています。歯の形から読み取れる働きと、実際に記録された食性は関連しますが、食べ物が1種類に決まるわけではありません。(参考:Florida Museumの識別資料、FAOのネコザメ目解説、ダルマザメの解説)

ネコザメは、前と奥で歯が違う

ネコザメの属名Heterodontusは「異なる歯」に由来します。前方と後方の歯の違いを知ると、歯を正面からだけ見て判断できない理由が分かります。鳥羽水族館でも、ネコザメが貝を殻ごと食べることが紹介されています。(参考:FAO、鳥羽水族館)

標本がある場合は、とがった歯の後ろに、幅のある歯が並んでいるかを観察してみましょう。ネコザメの図鑑では、暮らしと卵についても紹介しています。

ダルマザメは、上下で違う歯を使う

ダルマザメでは小さな上の歯と、大きな下の歯が対照的です。大きな動物の体表に取りつき、組織を切り取る食べ方が知られていますが、食事がそれだけに限られるわけではなく、小さなイカなどを丸ごと食べることもあります。Florida Museumの種解説は、この両方を紹介しています。

上あごの歯だけを並べた標本と、下あごの歯だけを並べた標本では、同じ種でも印象が変わります。歯の大きさを比較するときは、上下の位置が対応しているかを見ると、違いを読み取りやすくなります。

「とがる・砕く・切る」を、歯の並びから考える

細長い歯は先端だけでなく向き、幅のある歯は隣の歯との並び、鋸歯のある歯は縁の形に注目します。1本の輪郭と、顎に並んだときの面を見比べると、標本の楽しみ方が広がります。歯の目立ち方を、そのまま人への危険度の順位に置き換えることはできません。

標本で確認する4つの点

  • 上あごか下あごか、前方か奥か。
  • 歯の幅と高さの比率。
  • 縁が滑らかか、細かな鋸歯があるか。
  • 単独の歯か、顎の中に並んだ状態か。

欠けたり磨耗した歯では、本来の縁や先端が失われていることもあります。形だけで種名を確定せず、標本ラベルと出典を併せて確認してください。成長段階や口の中の位置も、比較の条件として記録すると役立ちます。

大型種の比較はホホジロザメとシロワニの図鑑もご覧ください。

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参考資料

資料確認日:2026年9月19日。

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