シロカグラ(Hexanchus nakamurai)は、6対のえら穴と相対的に大きな目をもつ、カグラザメ属のサメです。2026年には既存標本の調べ直しにより、九州本土と大隅諸島からの初記録が公表されました。
基本データ
| 和名/英名 | シロカグラ/Bigeye sixgill shark |
|---|---|
| 学名 | Hexanchus nakamurai |
| 分類 | カグラザメ目・カグラザメ科 |
| 分布 | インド・西太平洋の温帯〜熱帯に点在。日本からも記録 |
| 大きさ | FishBaseの最大全長記録206cm TL |
| 生息環境 | 大陸棚・島の周辺・斜面。深場中心だが浅い場所の採集例もある |
| 食性 | 主に小〜中型の硬骨魚類。甲殻類も記録 |
| 繁殖 | 母体内で育った仔を産む胎生。仔は全長40cm前後 |
カグラザメの小さい個体とは限らない
同属のカグラザメH. griseusより細身で、頭に対して目が大きく見えます。背びれは後方に1枚、えら穴は左右それぞれ6つです。カグラザメの幼魚も小さいので、全長だけを比べて種を決めることはできません。
専門的な識別では、下あごの櫛状の歯や、背びれと尾の間の長さなども使います。口を無理に開ける観察を勧めるものではなく、採集標本や研究図版を読むときの比較項目です。
2026年の「初記録」は新しく泳いできた日ではない
黒木・本村の2026年の報告では、2015年に馬毛島近くで採集された標本と、2011年に宮崎県日南市沖で採集された標本が調べられました。馬毛島の個体は以前カグラザメとして報告されていたものです。
したがって、この論文は「2026年になって初めて九州へ進出した」ことを示しません。標本を残しておくことで、後年の比較によって分布や名前を確かめ直せることを示した例です。
古い世界分布の情報に注意
現在の資料では、シロカグラはインド・西太平洋の種として扱われます。大西洋のHexanchus vitulusは別種なので、古い同義名の扱いをそのまま用いて世界中の記録を一緒にしないことが大切です。
魚類を食べ、仔を産むことは知られていますが、野外の行動を連続して見られる機会は多くありません。日本の標本が浅い定置網から得られた例があっても、常に浅瀬で暮らす種類と一般化することはできません。
水族館では種名まで確認する
今回の参照資料は主に採集標本と分類研究で、国内の現行の常設生体展示を示すものではありません。「カグラザメ」の展示や飼育ニュースを、シロカグラの記録へ置き換えないようにします。
人への危険性を数量的に評価できる接触記録も限られます。小型のカグラザメ類だから触ってよいと判断せず、歯のある野生動物として観察します。6対のえら穴、大きな目、採集された場所を一緒に見ると、この種の輪郭が見えてきます。
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参考資料
資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。


