エビスザメ(Notorynchus cepedianus)は、体の左右に7つずつあるえら穴と、後方に1枚だけある背びれが目印です。古い系統の特徴をもつサメですが、深海だけの動物ではなく、浅い湾や河口付近にも暮らします。
基本データ
| 和名/英名 | エビスザメ/Broadnose sevengill shark |
|---|---|
| 学名 | Notorynchus cepedianus |
| 分類 | カグラザメ目 Hexanchiformes・カグラザメ科 Hexanchidae(FishBaseの体系) |
| 分布 | 日本を含む太平洋、南大西洋など。北大西洋と地中海には通常分布しない |
| 大きさ | 最大全長約3m。すべての個体が3mになるわけではない |
| 環境 | 沿岸の湾・河口・大陸棚。大型個体は深い場所にも出現 |
| 食性 | 魚類、ほかのサメやエイ、海生哺乳類や死骸など |
| 繁殖 | 卵黄を利用して母体内で育ち、仔ザメを産む |
えら穴を数えると個性がわかる
多くのサメのえら穴は5対ですが、エビスザメは7対です。幅広く丸みのある鼻先、小さめの目、体に散る黒い斑点も特徴です。背びれが後ろに1枚あるため、2枚の背びれをもつメジロザメ類とはシルエットも異なります。
同じ7対のえら穴をもつエドアブラザメは、より尖った鼻先と大きな目が目立ち、エビスザメのような黒い斑点はありません。カグラザメは6対なので、「えらが多いサメ」を一括りにせず、数と頭の形を合わせて見ます。
深海専用ではない暮らし
小型個体は浅い湾などを利用し、大型個体は沖や湾の深い水路にも現れます。海底近くをゆっくり泳ぐ姿からは想像しにくいものの、魚やほかのサメ、エイなどを食べる捕食者です。
胃内容物に大きな動物が含まれていても、すべてを自ら狩ったと限らず、死骸を利用する場合もあります。食性の一覧をそのまま「必ず獲物を襲って倒す能力」の一覧に変えないことが、生態を正確に読むポイントです。
多数の仔を産む繁殖
エビスザメは海底へ卵殻を産む種類ではありません。母体内で卵黄を栄養に育った仔を産み、1回の出産で80尾を超える記録があります。生まれた仔は全長約40〜53cmです。
出産数が多いことだけで、個体数がすぐ増えると判断はできません。成長にかかる時間、繁殖間隔、幼魚が育つ湾の環境なども、個体群の維持に関係します。
人との関わりと水族館の記録
人に対する咬傷や、飼育下で潜水作業者に接触した記録がある種類です。浅い場所にすむからおとなしい、ゆっくり泳ぐから安全、と決めつけず、野外で追い回したり触れたりしないようにします。
Florida Museumは水族館での飼育記録にも言及しています。ただし、特定施設での現在の展示を保証する資料ではありません。見学先を選ぶ際は、エドアブラザメやカグラザメと取り違えないよう、展示名と学名を確認してください。
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参考資料
- FishBase:Notorynchus cepedianus — 分類・分布・全長・繁殖の種別記録
- Florida Museum:Sevengill shark — 形態・食性・近縁種との識別
資料確認日:2026年10月4日。展示情報は記載した告知・資料の時点に基づきます。


