ネコザメとトラザメを見分けるなら、まず背びれの前の棘と頭の形を見ます。どちらも海底近くで暮らし、卵を産むサメですが、ネコザメはネコザメ目、トラザメはメジロザメ目の別の仲間です。模様や名前の印象だけで判断せず、同じ部位を比べてみましょう。
| 比べるところ | ネコザメ | トラザメ |
|---|---|---|
| 学名 | Heterodontus japonicus | Scyliorhinus torazame |
| 分類 | ネコザメ目・ネコザメ科 | メジロザメ目・トラザメ科 |
| 背びれ | 2基の前縁に棘がある | 背びれに棘がない |
| 頭の印象 | 短く丸い吻、眼の上の隆起 | ネコザメのような大きな隆起がなく、頭が比較的低い |
| 模様の手掛かり | 幅のある帯と、その間の細い帯 | 褐色の鞍状模様と明るい斑点 |
| 卵の外形 | ねじのようならせん状のひだ | 四角い袋状で、端から巻きひげ状の付着糸が伸びる |
体の形と棘はFAO・FishBase、卵の形は鳥羽水族館と名古屋港水族館の解説を参照しています。(参考:FAOの形態解説、FishBaseのトラザメ、鳥羽水族館の卵の記録、名古屋港水族館)
水槽では「頭→背中→卵」の順で見る
底に重なるように休んでいると、体の後半が隠れて見えないことがあります。まず頭の輪郭を見つけ、次に横から背びれの前縁を確認します。背びれが見えない写真しかない場合は、棘が「写っていない」ことを「ない」と読み替えないようにしてください。
同じ水槽に卵が展示されている場合も、近くの成魚と必ず親子とは限りません。卵のラベルに書かれた種名を先に読み、らせん状か、袋状かを見比べると確実です。
写真を比べるときの3つの組み合わせ
| 見えた特徴 | 次に見るところ |
|---|---|
| 丸い頭と眼の上の隆起が見える | 背びれの前に棘があるかを確認し、ネコザメの特徴と照合する。 |
| 体に暗い帯がある | 帯だけで決めず、頭の高さと棘の有無を組み合わせる。 |
| 卵に巻きひげがある | 卵全体が袋状かを見て、展示ラベルのトラザメという名前と照合する。 |
見えた特徴を足して判断するのが基本です。ガラス越しに棘が隠れていたり、卵だけを撮影したりしたときは、写っている情報だけで比べ、成魚の特徴まで補って想像しないようにします。
大きさだけを比べると、幼魚で迷う
FishBaseではネコザメの最大記録を全長120cm、名古屋港水族館はトラザメが50cmほどになると紹介しています。ただし、小さなネコザメと成魚のトラザメは、サイズの印象だけでは区別できません。体長は補助的な情報とし、形態を優先しましょう。(参考:FishBase、名古屋港水族館)
名前からの思い込みもほどいておこう
トラザメの英名はCloudy catsharkです。日本語の「ネコ」と英語のcatが一致するわけではありません。また、加茂水族館の図鑑では、トラザメの地方名として「ねござめ」も紹介されています。地方名まで含めて調べる場合は、学名を添えると混同を防げます。(出典:加茂水族館)
暮らしや分布を詳しく知りたい方は、ネコザメの図鑑とトラザメの図鑑へ。2種を比べると、同じ底生のサメでも、体のつくりと卵の形が大きく違うことが分かります。
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参考資料
資料確認日:2026年9月19日。


