サメの卵の形を比べよう|ネコザメ・イヌザメ・トラザメの卵殻

水族館で「サメの卵」を探すと、ねじのようなものや、袋に糸が付いたようなものが見つかります。多くの場合、目にしている外側は卵を包む卵殻です。ネコザメ・イヌザメ・トラザメでは、卵殻の形と周囲の構造が違います。

3種の卵殻を比べる

種外から見える特徴観察したいところ
ネコザメ Heterodontus japonicusらせん状のひだがあるねじのように周囲をめぐるひだの形
イヌザメ Chiloscyllium punctatum卵殻の周囲に粘着性の繊維がある繊維が付いている様子と殻の中
トラザメ Scyliorhinus torazame四角い袋状で両端に付着糸がある端から伸びる巻きひげと、中の胚

新江ノ島水族館はイヌザメの繊維が岩やサンゴなどへの付着に役立つと説明しています。名古屋港水族館はトラザメの付着糸で海藻や岩に卵を固定すると紹介しています。同じ「糸のある卵」に見えても、付いている位置や広がり方を比べると違いが見えてきます。(参考:新江ノ島水族館、名古屋港水族館)

中の丸いものは、赤ちゃんとは限らない

透けて見える卵には、発生中の胚と、栄養になる卵黄が見えることがあります。大きな丸い部分をすべて子ザメの体だと思わず、体の輪郭や動きを別に探してみましょう。新江ノ島水族館のイヌザメの飼育記録にも、胚と卵黄を分けて観察した説明があります。(出典:イヌザメの飼育記録)

動いて見えない卵があっても、それだけで異常とは判断できません。観覧者から見えるのは一方向からの短い時間の様子です。照明を勝手に強く当てたり、水槽をたたいたりせず、施設が用意した観察方法に従ってください。

卵の展示には「発生中」と「空の殻」がある

子ザメがふ化した後の卵殻も、形を比べる教材になります。ラベルに「卵殻」「ふ化後」と書かれている場合は、中に子ザメがいなくても当然です。一方、発生中の卵はその時期にしか見られず、ふ化すれば展示が幼魚へ変わることがあります。

実例として、アクアワールド大洗のオーストラリアンスウェルシャークの案内は、2026年7月16日にすべての卵がふ化し、幼魚の展示へ切り替わったと追記されています。5月の「卵を展示」という見出しだけを読まず、本文の更新も確認することが大切です。(出典:大洗水族館の更新付き展示案内)

卵を観察するときは、形・付着・中身を分けて記録する

まず外周を見て、らせん状のひだなのか、袋の縁なのかを描きます。次に、糸や繊維がどこから伸びているかを記録します。最後に、透けて見える胚の体と卵黄の位置を描くと、外側の形と中の成長を混同せずに残せます。

連続して訪問できるなら、見学日と展示ラベルを写真に入れておくと便利です。次に見た卵が同じものか確認できない場合は、別の観察として記録します。卵殻の色や透明度だけから、ふ化までの日数を推測する必要はありません。

サメなら、みんな同じ卵を産む?

ここで比較した3種は卵生ですが、サメには子を直接産む種類もいます。さらに卵生の種同士でも、形や発生にかかる時間は同一ではありません。ある水族館のふ化日数を、そのまま別の種の予定日に当てはめないようにしましょう。

親の姿と合わせて観察するなら、ネコザメ、イヌザメ、トラザメの図鑑も参考にしてください。

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参考資料

資料確認日:2026年9月19日。

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