コギクザメ|小さな棘に覆われた、太平洋の大きな深海ザメ

コギクザメ(Echinorhinus cookei)は、体に細かな棘のような鱗が散り、背びれ2枚が後ろへ寄った大型のサメです。名前に「コ」がつきますが、小型種という意味ではなく、最大で全長約4mの記録があります。

基本データ

和名/英名 コギクザメ/Prickly shark
学名 Echinorhinus cookei
分類 キクザメ目・キクザメ科(FishBaseの体系)
分布 日本・台湾・オーストラリア・東太平洋など太平洋各地
大きさ 最大記録400cm TL。通常の個体サイズとは区別
生息環境 大陸棚から斜面。浅場の記録もあり、深海だけに限定されない
食性 魚類、ほかのサメ、タコやイカなど
繁殖 母体内で卵黄を使って育つ胎生。多数の仔を産む記録

キクザメとの違いは鱗にある

同属のキクザメE. brucusと比べる際は、棘のような楯鱗の大きさと並び方が手掛かりです。コギクザメは比較的小さな鱗が数多く分布し、キクザメで見られるような大きな複合した板状の鱗はありません。

鱗は単なる模様ではなく立体的な構造です。ただし、遠い水中写真では細部を確かめにくく、「灰色でずんぐりしている」という印象だけでは種を決められません。標本なら縮尺のある接写が役立ちます。

背びれは2枚とも体の後ろ

丸みのある短い鼻先と太い体に対して、背びれは小さく、腹びれより後方に集まります。背びれ前方の大きな棘としりびれはなく、背中の棘のような鱗と「ひれの棘」を混同しないことが大切です。

FishBaseには水深11〜1,100mの記録が載っています。これは観察・採集された範囲で、どの水深でも同じ数がいるという意味ではありません。名前から深海専用と考えるより、海底近くを利用するサメとして見ると生活像を捉えやすくなります。

食べ物と仔ザメ

魚や頭足類を食べる捕食者です。動きがゆっくり見えても、植物を食べるおとなしい魚ということにはなりません。食性と、日常の遊泳速度、人への危険性は別々の情報です。

一度に100尾を超える仔を持っていた記録もありますが、これは最大側の繁殖記録であり毎回の出産数ではありません。生まれる仔は全長40cm前後とされます。寿命や自然下の成長速度には、まだわからない点が残ります。

海遊館の紹介は標本の記録

海遊館の2016年の特別展示告知には、コギクザメの標本が記されています。この告知を、現在泳いでいる生体展示や長期飼育の証拠に読み替えることはできません。

人との接触機会が限られる種類でも、大きなあごや粗い体表には注意が必要です。標本で見られる鱗やひれの位置を手掛かりに、近縁のキクザメと比べると本種の特徴がよくわかります。

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参考資料

資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。

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