サメに耳はある?外から見えない内耳と水の振動の感じ方

サメには耳があり、頭の内部にある内耳で音を感じます。人のように外へ張り出した耳たぶがないので見つけにくいだけで、「耳がない魚」ではありません。体の側線で水の動きを感じる能力も備えています。

音を感じる場所は頭の中

水中の音は水の圧力や粒子の動きとして伝わり、サメは内耳の感覚細胞を使って周囲の音を捉えます。眼の後ろの大きな穴は、種類によって呼吸に使う噴水孔であり、見た目が穴だから耳の穴と決めることはできません。

Florida Museumは、サメが比較的低い周波数の音を得意にすると説明しています。ただし、どの音が聞こえるかは種や発達段階、測定方法によって異なります。人の聴力の数値と単純に優劣を比較するものではありません。

卵の中のサメも研究されている

2020年のScyliorhinus caniculaの研究では、孵化前から幼魚にかけての聴覚が調べられました。実験で反応した周波数の範囲は、初期の孵化前個体で100〜300Hz、幼魚で100〜600Hzへ広がっています。

これはその研究の対象と条件で得た結果です。「すべてのサメが600Hzまでしか聞こえない」などの共通上限ではありません。サメという大きな集団を説明するときは、測った種を明示することが大切です。

側線とロレンチーニ器官は別の仕組み

体の側面にある側線は、周囲の水の動きや振動を捉える感覚系です。近くを泳ぐ動物が作る流れを感じる手掛かりになり、内耳だけに頼らず環境を知ることができます。

一方、ロレンチーニ器官が捉えるのは弱い電場です。音、水流、電気はそれぞれ異なる刺激なので、「第六感」の一語で全部をまとめるより、何を受け取る器官なのかを分けると理解しやすくなります。

水槽をたたかず、反応を静かに見る

サメが向きを変えたとき、そのきっかけが音なのか、視覚なのか、水の流れなのかは見ただけでは断定できません。複数の感覚を併用する動物だからこそ、一つの刺激への反応を調べる実験には条件をそろえる必要があります。

水族館では、反応を確かめようとガラスをたたくのではなく、施設の案内に従って観察します。耳が外から見えないことと、音を感じないことを分けて考えると、水中の動物への接し方も変わってきます。

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参考資料

資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。

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