ニシネズミザメ|白い背びれの先が目印、冷たい海のハンター

ニシネズミザメ(Lamna nasus)は、第一背びれの後端が白く見える、ずんぐりした体のサメです。北太平洋にいるネズミザメと同じ属ですが、北大西洋や南半球の温帯海域を主な分布域とする別種です。

基本データ

和名/英名 ニシネズミザメ/Porbeagle
学名 Lamna nasus
分類 ネズミザメ目・ネズミザメ科
分布 北大西洋、地中海、南半球の温帯海域
大きさ FishBaseの通常全長244cm、最大記録350cm TL
生息環境 沿岸沖から外洋。表層から深場まで利用
食性 群れをつくる魚、底近くの魚、イカなど
繁殖 無胎盤性の胎生。胎仔は母体内で卵を食べて育つ

ネズミザメとの違いは背びれとお腹

ニシネズミザメでは、第一背びれの後ろへ伸びる先端が白くなります。尾の付け根には左右の大きな隆起に加えて小さな隆起もあり、三日月形の尾と合わせて観察できます。腹側は白く、ネズミザメで目立つ暗色の斑紋がないことも比較点です。

鼻先は円錐形で、歯は細い主咬頭の脇に小さな尖りを備えます。アオザメに似て見えても、歯や背びれの色、分布を合わせると区別しやすくなります。水揚げ写真の撮影国だけで同定せず、漁獲海域も確認します。

冷たい海を広く移動する

魚群を追うほか、底近くの魚も利用する捕食者です。北大西洋では長距離の移動が標識調査で記録されています。ただし「北大西洋のサメ」という説明だけでは、南半球にも離れて分布することが抜け落ちます。

ネズミザメ科には、代謝で生じた熱を体の一部に保つ仕組みがあります。暖かい熱帯の海だけがサメのすみかではなく、本種は冷たい水域で活動するサメの代表例です。

胎仔が食べるのは母親の作る卵

一度の出産で通常4尾という記録があり、母体内では卵黄を使った後に母親の作る卵を食べます。この卵食と、兄弟の胎仔を食べる行動は区別してください。繁殖様式が似ていても、ネズミザメ科の全種で出産数や成長速度が一致するわけではありません。

人との関わりと展示の探し方

大型で活発な野生動物なので、捕獲個体や遊泳中の個体に近づいて触れることは避けます。一方、体の大きさだけから人を常に狙うサメと説明するのも適切ではありません。

神奈川県立生命の星・地球博物館の資料にはカナダ産の標本記録がありますが、これは水族館の生体飼育を示すものではありません。今回の参照資料では国内の現行の常設生体展示は確認できず、見学先は最新の施設案内で確かめる必要があります。

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参考資料

資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。

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