イコクエイラクブカ|群れで海を渡る、世界の温帯のドチザメ類

イコクエイラクブカ(Galeorhinus galeus)は、細身の体と長く尖った鼻先をもち、温帯の海で群れをつくるサメです。Tope shark、School shark、Soupfin sharkという複数の英名で紹介されますが、いずれも同じ種を指すことがあります。

基本データ

和名/英名 イコクエイラクブカ/Tope shark、School shark、Soupfin shark
学名 Galeorhinus galeus
分類 メジロザメ目・ドチザメ科
分布 大西洋、東部太平洋、南アフリカ、オーストラリア・ニュージーランドなどの温帯海域
大きさ FishBaseの通常全長160cm、最大記録は約195cm TL
環境 沿岸の湾から大陸棚・斜面、外洋も利用
食性 魚類、頭足類、甲殻類など
繁殖 胎盤をもたず、卵黄を利用して母体内で仔を育てる

尾の先端と第二背びれに注目

第二背びれは第一背びれより小さく、しりびれと同程度の大きさです。尾の上葉の先には切れ込みがあり、その先端部分がよく発達しています。灰色の細長い体だけでなく、ひれ同士の比率を見ると特徴を捉えやすくなります。

日本のエイラクブカHemitriakis japanicaとは属も異なります。和名の後半が同じでも、海外のSchool sharkの研究や漁獲記録をエイラクブカの情報として使うことはできません。

底魚でも外洋へ移動する

海底近くで暮らすことが多いものの、深い海の上に設置された浮き延縄でも採集されます。ニュージーランドで標識を付けた個体がオーストラリアで再捕されるなど、広い範囲を移動する記録があります。

School sharkのschoolは、学校ではなく魚の群れを表す言葉です。ただし、すべての年齢・性別がいつも一緒に泳ぐわけではなく、地域によって大きさや性別に偏った群れも知られています。

仔ザメの湾と大人の行動範囲

仔は母体内で卵黄を使って成長し、生まれた時点で全長30cm台という記録があります。オーストラリア南部では、幼魚が浅い育成場を使うことが知られています。

親が長距離を移動できても、幼魚が育つ場所の重要性が小さくなるわけではありません。広い海域の移動と、限られた湾での成長という二つの空間を分けて考えると、回遊性のサメの生活を理解しやすくなります。

水族館と人の暮らしとの接点

Florida Museumは飼育下への適応と水族館での飼育実績に言及しています。ただし、これは特定施設の現在の展示予定を保証する情報ではありません。今回、国内の現行の展示施設は確定できませんでした。

本種は肉やひれなどを利用されてきたサメでもあります。人への危険性は低いとされますが、捕獲時の取り扱いには注意が必要です。古い資料の漁獲量や保全評価を現在値として示さず、種の生態と人による利用の歴史を分けて読むことが大切です。

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参考資料

資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。

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