ナースハウンド|大きな斑点と巻きひげ付きの卵をもつ欧州のサメ

ナースハウンド(Scyliorhinus stellaris)は、背中に大小の黒い斑点が散る、ヨーロッパ周辺のトラザメ科のサメです。Nursehoundという英名にはnurseが含まれますが、コモリザメを指すNurse sharkとは異なる種類です。

基本データ

名称/英名 ナースハウンド(英名のカナ表記)/Nursehound、Greater spotted dogfish
学名 Scyliorhinus stellaris
分類 メジロザメ目・トラザメ科
分布 北東大西洋・地中海。欧州から北西アフリカ沿岸
大きさ FishBaseの通常全長125cm、最大記録170cm TL
環境 大陸棚の岩場や海藻のある海底
食性 甲殻類、軟体動物、小型の底魚など
繁殖 巻きひげ状の付属物がある卵殻を産む卵生

「ナース」と「ドッグ」の名前に惑わされない

コモリザメは別の目・科に属するサメで、本種の別名ではありません。また、dogfishという英語はツノザメ類にもトラザメ類にも使われるため、英名の一部だけを訳すと違う仲間になってしまいます。

同属のScyliorhinus caniculaに比べ、本種は大きな黒い斑点が目立つ傾向があります。鼻孔の前の皮弁が口まで届かないことも識別に使われます。体色は照明で変わるので、斑点の大きさだけに頼らず、学名付きの説明を参照します。

岩場の底で暮らす夜の捕食者

砂地だけでなく岩や海藻がある底を使い、主に夜に餌を探します。小魚やカニ、軟体動物などを食べるため、口や歯を「かわいい小型ザメだから安全」と捉えるのは適切ではありません。

北東大西洋の分布でも、さらに南へ延びる古い記録には別種との取り違えの可能性が指摘されています。最大水深や最南端の点を、普通に見られる環境や連続した分布域と同じにしないことが重要です。

卵の巻きひげは固定するため

四隅から長い付属物が伸びる卵殻を産み、海藻などに絡ませます。これは仔ザメの体から伸びるひげではなく、卵を包む殻の一部です。仔は殻の中で卵黄を栄養として成長します。

孵化までの期間は水温などで変わります。水族館で卵を見る際は、産卵日と飼育水温、殻の中の発達段階が観察の手掛かりになります。一つの施設の孵化日数を、野外の全個体へそのまま当てはめることはできません。

ラ・ロシェル水族館の紹介

フランスのラ・ロシェル水族館は、種紹介と大西洋エリアの案内で本種を掲載しています。公式紹介は展示を調べる入口になりますが、来館日の個体展示や卵の観察を保証するものではありません。

同館は人への危険性を低いものとして説明しています。野外で接触するのではなく、水槽では背面の大きな斑点と、後方に並ぶ背びれ、卵殻の形を見比べると、ほかのトラザメ類との違いを楽しめます。

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参考資料

資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。

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