チェーンキャットシャーク|鎖模様と緑の蛍光をもつ小さなサメ

チェーンキャットシャーク(Scyliorhinus retifer)は、体に鎖のような暗い模様が広がる小型ザメです。青い光を受けて緑色に見える生物蛍光が研究されており、自分で光を作るヨロイザメなどとは仕組みが違います。

基本データ

名称/英名 チェーンキャットシャーク/Chain catshark(英名のカナ表記)
学名 Scyliorhinus retifer
分類 メジロザメ目・トラザメ科
分布 北西大西洋、米国東岸からメキシコ湾・カリブ海側
大きさ 全長50cm前後の小型種。FishBaseには48cm TLの記録
環境 大陸棚から斜面の底近く。記録水深36〜750m
食性 小魚、イカ、甲殻類など
繁殖 卵生。巻きひげのある卵殻を産む

鎖の模様から付いた英名

明るい褐色の体に暗い線が連なり、網や鎖のように見えます。背びれは体の後方に位置し、長く細い尾へ続く姿も特徴です。日本のトラザメと同じ属ですが、分布や体の模様が異なります。

このページでは英名Chain catsharkをカナで表記しています。名称を和訳して新しい標準和名のように扱わず、Scyliorhinus retiferという学名を併記することで、別のトラザメ類との混同を避けています。

蛍光と発光はどう違う?

2016年の研究では、本種とアメリカナヌカザメで緑色の蛍光と視覚の特性が調べられました。蛍光は、受けた光を別の波長の光として出す現象です。暗い場所で無条件に自ら光を作る生物発光とは異なります。

研究は、蛍光によって背景とのコントラストが増し、サメ自身にも見え方の違いが生じる可能性を示しています。ただし「必ず求愛のために光る」と用途を一つに決めることはできません。水槽の通常照明で見える模様と、特別な光・フィルターで見える蛍光も区別します。

底近くで餌を探し、卵を産む

岩などのある海底付近で暮らし、小魚、イカ、甲殻類を食べます。分布の南北で利用する水深に差があり、同じ種でもどこでも同じ浅さにいるわけではありません。

雌は巻きひげのある卵殻を産みます。ひげが構造物にからむことは卵が流されにくくなる仕組みと関係します。孵化までの期間は水温などの条件に左右されるため、飼育例の期間をそのまま全海域の値にはできません。

水族館では研究にも使われる

ロングアイランド水族館は、公式の研究紹介で本種の生物学や採餌動作の研究を挙げています。これは水族館が展示だけでなく、口の動かし方などを調べる場でもあることを示す例です。現在見られる展示個体の有無は、別に最新案内で確認する必要があります。

小型で人への危険性は低いとされますが、模様や蛍光を観察するために野生個体をつかむ必要はありません。水族館では通常の模様をじっくり観察し、蛍光の研究映像があれば照明条件と合わせて見比べるのがおすすめです。

関連する図鑑・コラム

参考資料

資料確認日:2026年10月4日。展示情報は記載した告知・資料の時点に基づきます。

タイトルとURLをコピーしました