コヒレダルマザメ(Isistius plutodus)は、大きな下あごの歯と、小さく非対称な尾びれをもつ珍しいサメです。よく知られるダルマザメI. brasiliensisとは同じ属の別種で、喉の黒い帯がないことなどで区別されます。
基本データ
| 和名/英名 | コヒレダルマザメ/Largetooth cookiecutter shark |
|---|---|
| 学名 | Isistius plutodus |
| 分類 | ツノザメ目・ヨロイザメ科 |
| 分布 | 大西洋および太平洋の限られた採集地点。沖縄沖も記録 |
| 大きさ | FishBaseの雌の最大記録42.3cm TL |
| 体の特徴 | 葉巻形の体、体の後方の小さな背びれ2枚、しりびれなし |
| 繁殖 | FishBaseでは卵胎生と整理。詳しい周期や出産数は未確認 |
| 食性 | 口や歯の形態から大型動物の肉片の利用が示唆されるが、野外の食性資料は少ない |
ダルマザメとの比較は「黒い帯」と尾
一般的なダルマザメに見られる喉の黒い帯を、コヒレダルマザメはもちません。尾びれの下葉が小さく、上下の形が非対称であることも特徴です。歯を含め、複数の特徴が一致するかで判断します。
とりわけ目立つのは、下あごに並ぶ大きな三角形の歯です。体そのものは小さいので、歯だけの拡大写真を見ると実際のサイズを大きく感じることがあります。全長と縮尺を合わせて見ると誤解しにくくなります。
食べ方の説明は確かさを分ける
吸着に適した唇、大きな口、下あごの歯は、ほかの動物の表面から肉片を切り取る食べ方に適した構造です。ただし、形態からの推定と、野外でその行動を直接記録したことは同じではありません。
ダルマザメ属に特徴的な食べ方だからといって、海の動物に残った傷をすべてコヒレダルマザメのものと判定できるわけではありません。傷だけでは、近縁種のどちらが作ったか確定できない場合があります。
少ない記録を読むときの注意
FishBaseに並ぶ採集地点は離れており、非常にまれな種とされています。これは海の中に存在する個体数を直接数えた結果ではなく、人が採集して同定できた記録が少ないという側面もあります。
水深の記録も、いつも同じ深さにいることを保証しません。寿命、日々の移動、妊娠期間、餌の比率などは今回の資料から詳しく確定できず、よく研究されたダルマザメの数値で穴埋めしないことが必要です。
人への危険性と飼育情報
本種に確実に結び付けられる人との接触情報は限られます。人を狙う巨大ザメのように紹介する根拠はありませんが、歯のある個体を手で触れることは避けてください。
今回参照した公的目録と種別資料からは、現在の国内の生体展示を確認できませんでした。水族館でダルマザメ類の標本を見る場合も、種名と学名の札を読み、黒い帯の有無や尾の形を比べると本種の特徴を捉えられます。
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参考資料
資料確認日:2026年10月10日。施設の記録は告知・資料の時点の情報です。


